骨董・アンティークそしてジャポニスム散策
Mme.Chiyoko
No.4
何回か銀座のクリスティーズのプレビューを見てからというもの、私にもクリスティーズのオークション案内の葉書が届くようになりましたが、さて、今回はあの萬野美術館がその所蔵品をオークションに出すということ！早速、東京美術倶楽部で行われたプレビューに行くことにしました。
故萬野裕昭氏の一大日本東洋美術コレクションからなる萬野美術館には、私はまだ訪れたことはありませんが、春に日本橋高島屋で行われた『篠山紀信と萬野美術』展とサントリー美術館で行われた『萬野コレクションの名品 琳派と茶道具』展には足を運んでその素晴らしいコレクションの一部を実際に見ていましたので、それらに実際に触れることができるかも、もしかしたら、自分のものになる？などと思いながら東京美術倶楽部へ。
ところで、東京美術倶楽部には東美アートフェアで何回か訪れたことがありますが、今回のような重要な日本美術品の売立ては、やはり東京美術倶楽部しかないのでしょう。
ただし、今回はクリスティーズ主催ですのでオークション自体はロンドンで行われますが、重要美術品クラスは海外持ち出し禁止ですので日本のプレビューでしか見ることができません。
さて、会場には焼き物、掛け軸、刀剣がガラスケースに入れて飾ってあり、頼むとそれを実際に手にとることができます。でも、さすがに重要美術品の大きな瀬戸焼の壷(Estimate £100,000)は怖くて触れないと思っていると、隣に居たいかにも業者風の方が、”それ出して”と言って、ヒョイッと持ち上げてクルクル廻し始めました。やはり商売をなさっている方はまったく躊躇しないようです。
焼き物は人気が高そうでちょっと無理かなと思って歩いていると綺麗な蒔絵の何かが何点か並んでいるコーナーを発見。よく見るとそれらは刀掛けで、Estimateも£1200からと萬野コレクションの名品としてはお買い得？にも感じられます。周りの方々も市価の1/3程度だと囁いていましたので、この中から１つを選んでビットを出すことに決定しました。
受け付けで担当の方に”ビットを出したいのですが”と言うと、”ロンドンに来られますか”との質問。
主人と顔を見合わせて、”absentee bitでお願いします。”
さて、６月末にロンドンに行われたオークションの結果ですが、落札価格はEstimateの約３倍と結局は市価並の値段となり、私達の希望価格からは遥かに高い値段に終わってしまいました。これでも萬野コレクションの名品としては安かったのかもしれませんけど。
訪問日：2001年8月
銀座に開店したばかりのアンティークモール、その名も「アンティークモール銀座」を訪れてみました。小さなビルですが、９フロアに多数のお店（西洋アンティーク、和の骨董、家具から小さなジュエリーまで）が出ています。このようなモールを見ていると、NYのナヤックのアンティークモールを思い出します。ナヤックなどのモールと比べると、この銀座のモールでは、ショーケースに入っているものが多い印象でした。クリスティーズや東京美術倶楽部に出ている高級古美術品とは少し違いますが、近くへいかれたときに、ちょっと気楽に楽しめそうですよ。
昨年、小さな博物館 屏風和集屋を訪れた時に、現代物の屏風が手ごろな値段で入手できることを知って以来というもの、いつかは私も屏風を飾りたいと思っていましたが、やっとその希望がかなう時がきました。
表参道にある新・古美術『富士鳥居』でたまたま見つけた逸品？です。美術館にある屏風のような豪快な桜ではありませんが、人物の表情が良いので気に入っています。作者の松圃さんは昭和１５年生ということですから６１歳になられる方のようです。でも富士鳥居の主人の話では、この雅号には何か秘密があるよう。
この金屏風と共に、高松の工場まで見学したMORISHIGEの漆モダンの家具を揃えた我が家のリビングは、もしや高級旅館風に見えますかしら？！皆様も、ちょっと気分と雰囲気を華やかに出来る金屏風はいかかでしょう？
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