あこがれのホテル・旅館めぐり 
  Mme.Chiyoko 

   No.5

二期倶楽部 那須温泉 山楽 強羅花壇

二期倶楽部

 訪問日:2004年4月


美しい那須岳の山々

日光には何回も訪れたことがあるのですが、那須高原を訪ねたのは今回が初めての私達。東京では既に散ってしまった桜も東北では満開の時期だったらしく、東北道では桜吹雪の歓迎を受けながらのドライブです。那須高原に着き、美しい那須岳の山々を見ると、日々のストレスを一瞬で忘れることができました。でも、今回はそれだけではありません。あの二期倶楽部が目的地なのですから。

茶臼岳のロープウェイからの帰り、カーナビがあるにもかかわらず右往左往しながら、小さな看板を見つけてやっとの思いで二期倶楽部の駐車場に到着。すると、すぐにスタッフが車まで駆けつけて荷物を上げ下ろしを手伝ってくれます。そして、フロントまで長い小道を一緒に歩いていくのですが、その途中の景色は私達の好きなアマンホテル、その中でもAmanusaを彷彿とさせる落ち着いて上品な佇まいです。


フロントまでの小道


渡辺明氏設計による瓦屋根の本館


アマンに十分匹敵する上質な空間

今回予約した本館の洋室は離れになっていました。離れといっても、2部屋ずつ繋がっていますのでタウンハウスと言ってもよいでしょう。実際部屋から庭に出てくつろぐことも出来、アメリカのタウンハウス風の雰囲気に近いものがあります。ブラインドを開けっ放しにしてベッドで寝そべると、気持ち良くなれそうなのですが、各部屋のプライベートの庭というわけではなく散歩されている方もいますので、あまり開放的になりすぎてはいけません。


私達が宿泊した本館洋室の建物


室内からの風景


庭を眺めながらお風呂にはいれます
(たまに人が通るので実際は無理?)

この日は天気も良く、二期倶楽部の広大な敷地内を散歩するには最適。本館から東館までの間には、渓流あり、露天風呂あり、森あり、テニスコートあり、田園あり、キッチンガーデン(野菜畑)あり、と様々な風景が目を楽しませてくれます。この散歩だけでも二期倶楽部に来て良かったと感じるのに十分なものでしょう。


敷地内には露天風呂もあります


コンラン卿設計の東館のパビリオン

もちろん建物の中も素晴らしいもので、本館のリキュールルーム・ライブラリではちょっとした飲み物を飲みながら、美術書を眺めたり、戸外を見てくつろぐことができます。また、ビリヤードルームもあり、私は初めてそこでキューでボールを叩くという貴重な?経験をしました。

東館には、スパやリラクゼーションルームがあり、端正で清潔な佇まいの温泉に浸かった後、ミネラルウォータを飲みながらシェーズロングで一休みできます。アロマもあるのですが、当日は予約が一杯とのことでしたので、これは次回のお楽しみ。ショップも本館と東館にそれぞれあります。


リキュールルーム&ライブラリ


自然を見ながらくつろぐことができます

お食事についてですが、私達はディナー、朝食共に本館のメインダイニングのラ・ブリーズで頂きました。少しお洒落をして頂いたフレンチのディナーも良かったのですが、翌朝オープンエアのテラスで頂いた朝食は、那須高原の朝のすがすがしい空気という最高の調味料を得て、一生忘れない思い出となりそうです。


レストラン・テラスの風景


すがすがしい朝食


春の小川のせせらぎが聞こえてきます

二期倶楽部を楽しむには1泊ではとても足りません。また、季節によってもきっと違う印象を持つことでしょう。那須高原の魅力にすっかりはまってしまった私達でした。

 

 那須温泉 山楽 

訪問日:2004年8月

 


山楽の玄関

さて、夏になっても那須高原のことが忘れられない私達は8月も結局また那須高原に行くことになりました。ただし、今回の宿泊はモダンな二期倶楽部ではなく、由緒正しい温泉旅館 山楽です。

かつて静養地を探しておられた皇太子時代の昭和天皇が山楽に立ち寄り、この地が気に入られたとのことで那須御用邸が作られることになったのこと。御用邸内の温泉も山楽の温泉と同じ源泉からだそうですから、隣接する御用邸内には入れなくとも皇室の皆様が楽しまれているのと同じ温泉に浸かることができるのです。

旅館としては良くも悪くも正統的でオーソドックスな温泉旅館であり、最近のデザイナー旅館のようなものを期待してはいけません。大きな露天風呂に浸かった後、窓辺で浴衣姿で温泉の硫黄の香りをかすかに漂わせた風を受けながらくつろぎ、昔ながらの温泉での一泊を楽しみました。

昔の旅館の朝食は、ご飯・焼き魚・のり・生卵というのが定番でしたが、山楽では3種類のメニューから選ぶことができ、どれも夕食並みに大変立派なもので驚きました。夕食も牛ステーキがメインでしたので、お食事重視の方でも満足すること間違いなし!ですよ。

 

強羅花壇

 訪問日:2004年12月

暮れも迫った頃、今度は強羅花壇に泊まる機会がありました。昭和5年に閑院宮載仁親王が強羅の岩崎康弥氏所有の土地を譲り受けて避暑用に建てた別荘の跡地が強羅花壇であり、シンボルマークは2つの菊紋を重ねたものとなっています。以前ご紹介した蓬莱やあさばと同様に強羅花壇もルレ・エ・シャトーに加盟しており、日本を代表する高級旅館として読者の皆さんもご存知と思います。

送迎用にロールスロイスまで用意されていると聞く強羅花壇に行く方法として、私達はもっともふさわしくないと思われる方法で、即ち、箱根登山鉄道の終点・強羅駅からキャリーケースをゴロゴロ転がして歩いていきました。しかし、すぐ近くと聞いていたのもかかわらず、道を間違えてしまう始末。一旦駅に戻って案内所で場所を聞き直し、再び線路沿いを彫刻の森美術館方面に200m程歩いたところでようやく強羅花壇専用の小さな踏み切りを発見。その踏み切りを超え、強羅花壇の駐車場に下りたところで、係員の方に発見されてしまい?入口へと迎えられたのでした。


登山鉄道の踏切と
強羅花壇の看板


今はレストランとなっている
旧閑院宮邸


宮邸の隣に入口があります

強羅花壇のシンボルでもある旧閑院宮邸の中を見学できるかを聞いてみましたが、懐石料理の予約が無いと無理だったようです。(蓬莱に宿泊した時は女将さんの計らいで別館のヴィラ・デル・ソル内を見学できたのですが、時間帯が悪かったのかもしれません。)

チェックインタイムよりもかなり早く着いてしまった私達は、雑誌でよく見る長い柱廊の先にあるリラクゼーションコーナーにまず通されました。アロマの匂いが軽く漂う中でハーブティーを頂き雑誌を眺めていると、ほどなく部屋の準備が出来ましたとの連絡があり、私達の担当となったY子さんが出迎えてくれました。


リラクゼーションコーナー

ハーブティーを頂けます

様々な和洋の雑誌がありました

モダンな建物と箱根の山々

Y子さんに通された部屋は上品でセンスの良い落ち着いた部屋です。スタンダードクラスだったので露天風呂などはありませんが、2人で宿泊するには十分な広さです。

Y子さんに家族風呂やアロマテラピーの混み具合について訪ねると、さっとフロントに電話をかけて予約をとり細かなスケジュールを作成してくれました。でも、それがまた私達に有能な秘書がついているみたいで、なんとなく社長一家のご旅行気分?になってきてしまうのです。もちろんY子さんはスーツではなく着物姿なのですけど。


宿泊した部屋


センスの良い落ち着いた雰囲気です

Y子さんの立てたスケジュールに従い、まずはお風呂よりも先にアロマテラピーに行くことになりました。スリッパと下駄を2回履き替えて庭の小道を上り下りした先が、やっとSPA花香です。そこは昔は離れの部屋だったとのことで、和室空間でのアロマはちょっとばかりシュールでもあり、アマンプリやオリエンタルホテルなどでのアロマとはかなり違った印象を受けました。

アロマでくつろいだ後、部屋に戻るともう次の家族風呂の予約の時間です。”秘書”のY子さんの呼び出しを受けて慌てて準備をして出かけました。この家族風呂も離れとなっており、露天風呂とサウナの両方が楽しめるようになっています。すっかり日が暮れた中、露天風呂にのんびり浸かっていると、ゴロゴロと登山鉄道が通る音が始まりました。結構線路に近いのかなと思っていると木立の間をかなり近く列車が通り抜けていきます。窓から乗客の顔が見えるぐらいに見えたので、後でY子さんに聞くと、”良くお客さんに聞かれますが、実際に列車に乗ると全く見えないんですよ。”とのこと。(帰りの列車で自分で確かめてみましたが、Y子さんの言う通りでした。)

立派な夕食を頂いた後はバーに繰り出しましたが、これまたなんとなく社長とマダム?として銀座のバーで遊んでいるような雰囲気になっていまうのは何故なのでしょう?


離れの部屋が今は
スパになっています


露天の家族風呂には
サウナもあります


まるで雪の中に置かれているような
お酒と共にお食事を頂きました

翌朝、またしても立派な湯豆腐の朝食を頂いた後、今度はフィットネスルームと室内プールへ直行です。他に誰もいないフィットネスで一汗流した後、着替えてジャグジーへ。プールの方は子供達も泳いでいて結構賑わっています。英語で会話する方が多く、強羅花壇が外国人のエクゼプティブに人気があるということがよくわかります。泳いだ後は水着の脱水サービスもあり、このあたりも至れりつくせりです。


部屋からの朝の箱根の眺め


室内プールでひと泳ぎ


駐車場には、いかにも
高そうなお車が。。。

たった1泊だけで強羅花壇を可能な限り楽しもうとばかり、あれやこれやと欲張ったためか、あっと言う間にお別れの時がきました。他の多くの宿泊客も時間ぎりぎりまで館内で過ごされるとみえ、チェックアウトタイムはかなりの混雑となります。

フロントで”チェックアウト後どうしますか”と聞かれ、”駅に行きます”と答えると”お車を出します”とのこと。荷物を預けて駐車場に出ると、そこにはメルセデスのSクラスやフェラーリなどいかにも高そうな車がズラリ。さすがに宿泊者の皆様は素晴らしいクルマをお持ちだことと思って眺めていると、その中の1台がするすると動き出し、私達の前に到着。それが強羅花壇の送迎車だったのでした。

強羅駅までのたった3分ほどをSクラスの広大な後部座席で過ごし、ショーファーにドアを開けて頂いてトランクルームから荷物を受け取った瞬間、それが私達の”社長御一家の家族旅行”の終わりの時となりました。

前号へ     次号へ    HOMEへ  

マダムチヨコのホテル・旅館のコメントリスト

このHPへのリンクは自由です。

ご意見・ご感想がありましたら feedback@e−sansaku.comまでお便りください。
(注:SPAM対策のためにアドレスを全角で表示しています)

Copyright (C) 2000-2006 Mme.Chiyoko / e-sansaku.com  All rights reserved

ヒット カウンタ