マダムチヨコの
美術館・博物館散策
No. 5
秘蔵の名品アートコレクション展
訪問日:2001年8月
大倉喜八郎の大倉財閥を継ぎ、帝国ホテル会長などを歴任し戦後ホテルオークラを創立したバロン大倉こと大倉喜七郎氏が、昭和5年に企画・全費用を負担してローマで開催した日本美術展覧会の大規模な再現展がホテルオークラで行われました。
70年前に横山大観が人選・運用を行った展覧会には、川合玉堂、竹内栖鳳、上村松園、鏑木清方、下村観山、前田青邨等々、当時を代表する日本画家達が国の威信を掛けて作品を仕上げました。そして、ヨーロッパの人々に真の日本画の世界を見せるべく、日本から送られた職人達がローマの会場に完璧な床の間を作りあげ、そこに作品は並べられました。
それから70年後、日本におけるイタリア年でもある今年に、ホテルオークラの曙の間で行われた再現展では、今ではバチカンの所有である竹内栖鳳の「夏冬水墨山水」、ブレシア市美術館所有の平福百穂の「荒磯」が目玉として出品されました。
特に「荒磯」は迫力のある金屏風で私はすっかり気にいってしまいました。また上村松園の緻密で気高い「伊勢大輔の図」も素晴らしいものでした。実はこれらは長いこと行方不明の絵だったらしく今回の再現展で再び所在が判明したものだそうです。
ホテルオークラの宴会場に入るのは初めてだったのですが、和でも洋でもなく中間的な現代ホテルの宴会場の雰囲気は意外と当時のローマ展の雰囲気に近かったかも知れないなどと思いをめぐらすことができました。
ところで、ホテルオークラではこの特別展に合わせて館内の各レストランに特別メニューが用意されており、私達はランチをフランス料理のラ・ベルエポックで頂きました。税・サービス料込みで5000円という比較的お手ごろな値段でありながら、味・ボリューム・サービスともに大変満足いくもので、私はすっかりオークラファンになってしまいました。特にトマトのデザートは見た目だけでなく、味も逸品でした。
くらしをいろどる
訪問日:2001年8月
私の大好きな絵、伊藤深水の「聞香」を見るために、工芸館まで足を運びました。
和装と洋装の気品ある4人の女性の姿に私はあこがれています。
いつかあんな女性になれるといいなと思いながら、じっと絵に見入っていました。
水辺の情景とジャポニスム
訪問日:2001年8月
歌川広重や豊国の作品と共に、パリの浮世絵師とも称されたアンリ・リヴィエールの作品などが主体に展示されていました。
リヴィエールの色の淡くて軽い都会風の作品と比べると、日本の浮世絵は大衆の下町情緒をはっきりとした色使いで仕上げており、より力強くドラマチックに感じられました。
島岡達三陶芸作品特別展・記念講演会
訪問日:2001年6月
板谷波山のマジョリカ焼
島岡先生の作品群
島岡先生の母校での講演以前、日本骨董学院のツアーに参加して人間国宝の島岡達三先生と直にお話する機会があって以来、私達夫婦は島岡先生の作品にすっかり魅了されてしまいました。
今回の展覧会には、島岡先生の作品の歴史を見ることができただけでなく、日本の近代陶磁器の歴史に名を残した方々(いわゆる東工大派)の作品、日本骨董学院で習った、ロバートワグネルの作品、板谷波山ほか、すばらしい作品をじかに見ることができました。
島岡先生の講演は、ご自分の陶芸人生をふりかえって、気さくにいろんなエピソードをご披露してくださり、とてもなごやかで楽しいものでした。田中真紀子外務大臣と柳井駐米大使との関係が島岡先生のアメリカでの展覧会に影響するかもなどしれないという話はここでしか聴けないものでしょう。
ところで、東工大の100年記念館の地下は東工大に関係する様々なものが展示されており、東工大派の陶磁器だけでなく、東工大で開発されたフェライトや水晶発振装置等が展示されています。最近ノーベル賞を受賞した白川博士のコーナーではノーベル賞の賞状とメダルのコピーなども展示されています。実は、早く会場に着いた私達は招待席のすぐ後ろに座っていたのですが、招待席にはその白川博士が来られました。大変上品そうな感じが印象的な博士でした。
白川博士のコーナー
関係者に挨拶する白川博士
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