[1998/5/17]

マダムの散策     

 [第1回] 益子焼人間国宝 島岡達三先生を訪ねて


皆様はじめまして、マダムちよこです。 去年まで暮らしていたニューヨークで西洋アンティークに 出会い、ついにはNYU(ニューヨーク大学)で 鑑定講座を取ったり、サザビーズやクリスティーズなど オークションハウスやアンティークディーラー、そして 数々の美術館巡りなど初心者の私でも気軽に 楽しむうちに、 この世界にすっかり魅せられてしまいました。。

さて、今年帰国し、東京に落ち着いた後も 西洋アンティークの勉強を続けたいと思い、 まずは好きなアンティークジュエリーのクラスを取り始めました。 ところが、ここは日本、 新たに骨董(日本そしてオリエンタル)の世界にも 足を踏み入れてみることになりました。 西洋アンティークに関してはNYほど充実していない東京も、 骨董に関しては、日々発見が多く興味がつきません。 こちらは日本骨董学院 での授業を中心に勉強中ですが、 またまた奥深いこの世界に、すっかりはまりつつある 今日このごろです。

Mme.Chiyoko


益子焼人間国宝 島岡達三先生を訪ねて

骨董学院恒例の”人間国宝 島岡達三先生の工房と 笠間・益子焼を訪ねる会”に初めて参加して来ました。

TOPOS外観 まずは、笠間にあるTOPOS(笠間焼共販センター)に立ち寄り、 引率して下さった、骨董学院 長の細矢先生が薦められた粉引の湯呑を 買いました。
これは、馬場浩二作のものですが、 素人の私の目には、形は少々いびつだし、ただ白いだけの 湯呑みにしか見えません。しかし、先生曰く、 使っているうちに、お茶の色が染み出してきて、 なんともいえない風格がでてくるとのこと。 どうなるのかと現在試しているのですが、 不思議なことに確かに毎日使うたびにどこか色合いや 感じが変化してきています。もうただの白い湯呑みではありません。 これが、”いいアジ”なんでしょうね。

馬場浩二作 粉引湯呑 馬場浩二作 粉引湯呑

さて、昼食は、益子の蕎麦処”木の香”で蕎麦料理を頂き、 その後、益子参考館を見学しました。 益子参考館には、島岡達三先生が師事された民芸運動の先駆者、 陶芸家人間国宝の浜田庄司 氏がコレクションした作品の数々の展示、 そして浜田氏の工房、登り窯などがあります。
建物は、古いかやぶきの民家を移転したもので、 上品で落ち着いた佇まいには心が落ち着きます。 民芸の原点となったイギリスのスリップウエア(陶器) をはじめ、バーナード・リーチ、河井寛次郎の作品、 英アーツ&クラフトの家具、そして中国明器、李朝陶器、 古代エジプト物ほか、古今東西の生活工芸品が幅広く蒐集展示されています。
日本民芸陶器の博物館という言葉からくるイメージでは 全て和のもので統一されているのかと思っていたのですが、 実際には、イギリスやフランスのカントリースタイルの 当時のアンティーク家具などまったく違和感なく調和していました。

益子資料館 入口 益子資料館 入口

さて、次にいよいよ 益子焼の人間国宝 島岡達三先生を訪問しました。 先生自ら工房を案内してくださった後、 ご自宅でお茶とともに気さくにいろいろ お話をしてくださいました。
お土産に、なんと先生の作品を市価より安くわけてくださり、 私も初めて人間国宝作のものを手に入れることができ、 感激!でした。

島岡先生を囲んで 島岡先生を囲んで 購入した作品 購入した作品

先生の作品は現在都内の2ヶ所で展示販売されています。



日本民芸館

日本民芸館 入口
井の頭線駒場東大前駅から歩いて10分内のところに 日本民芸館があります。ここは民芸運動の 柳宗悦氏により 企画された”民衆的工芸品(民芸品)”が展示されている美術館。 私は骨董学院の授業で、柳宗悦と北大路魯山人の 美についての論争について学び、 上手(じょうて)の高級品を美しいとした 魯山人の美意識は理解しやすかったのですが、 柳宗悦が美しいとした 下手(げて)の無銘の工芸品とはどんなものなのか よくわからず、民芸館へ見に行くことにしました。 実際にすぐれた民衆的工芸品を見ると その美しさと力強さにすっかり魅せられ、 民芸運動に興味を持った私は、 島岡達三先生を訪問することになったのです。

また、日本民芸館の近くの駒場公園内にある 旧前田邸の和館と庭園、そして洋館も東京都近代文学博物館として、 どちらも無料で見学できますよ。


東郷神社 骨董市

骨董市 骨董市 骨董市の風景

毎月第4日曜日に行われている原宿東郷神社の骨董市へ 行ってみました。雨上がりの日曜日、多くの外人客も 混じってお宝探し。いろいろ目移りしたのですが、 なかなか、これ!と決められず、また次回を楽しみしています。


国立博物館

国立博物館 本館 国立博物館

骨董の勉強、まずは国立博物館で目を養わねば。。


皇居東御苑と宮内庁三の丸尚蔵館

江戸城の面影を残す大手門  

裏面はもちろん日本語です 入園は無料ですが、この札を携帯しなくてはなりません。


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