[1999/11/1]

マダムの散策     

 [第7回] アートシーズン in Tokyo


平成11年 初秋の頃

季節はめぐりめぐって、すっかり秋になりました。
この夏の暑さにはすっかり降参、ちょっと長めの避暑休眠生活を送っておりましたが、アートシーズン到来を受け、活動再開です。
今回は春に続いてのクリスティーズプレビューをはじめ、東京美術倶楽部でのアートフェアなどでNYのアートシーズンを思い出したり、またまた日本の長い歴史と美の数々に感動したりと、秋早々、やはりアートが素晴らしい!と嬉しくなっています。

Mme.Chiyoko


アートシーズン in Tokyo

まずは、骨董学院の細谷先生に教えていただいた展覧会から〜
   

 

 


アートミュージアムギンザ入口

9月20日〜26日、銀座ぎょうせいビル1F、アートミュージアムギンザで行われた中国、日本、朝鮮の古美術展へ行ってまいりました。
この三美会では、3人の女性古美術商の方々(甲斐の小野公子さん、日下尚雅堂の日下千恵子さん、新堂の水戸レンさん)が、見極められた”美”の数々が展示されていました。また次回を楽しみに少しづつ目を養っていきたいものです。
 

甲斐: 南青山6−12−2
日下尚雅堂: 銀座6−4−13
新堂: 武蔵野市吉祥寺南町3−7−2

付録:Auction Ceriya


三美会の隣にAuction Ceriyaの看板があります

こちらは特に知らされていなかったのですが、先ほどの三美会展を見終わって帰ろうとしたところ、オークションの看板が目にとまり、同じビルの階下へ行ってみると、Auction Ceriyaの下見会が行われていました。階上の三美会の古美術品や、高級な芸術品を扱うサザビーズやクリスティーズとは違い、絵画、陶磁器、本など現代物までの中古品?が幅広く集めてあり、お値段も最低落札価格が1万円などとても庶民的なオークションのようです。
こちらも定期的に行われているようで、たまには気楽に覗いて見るものよろしいかしら?
 

Auction Ceriya  アートミュージアムギンザ B1F

 


東京美術倶楽部 アートフェア入口にて

10月1日〜3日、東京美術倶楽部にて第1回 東美アートフェアが開催されました。これぞ私の待ち望んでいたアートフェアという感じで本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。これは、全国の有名古美術商126店舗がそれぞれブースに出展して、NYやロンドンで有名アンティークディーラーが定期的に開催するアンティークフェアの日本版という感じでした。

当日、東京美術倶楽部という響きにも胸ときめかせ、御成門近くの会場へ。受け付けで会場案内図を頂き、(入場料無料です)まずは1階へ。なんせ126店のブースがあるので、1階、3階、4階が展示会場となっています。2階はお休み処となっているようで、シャンパンとオードブルというNYとは違い、和室で御茶というあたり、やはり日本ですよね!私には、普段はなかなか敷居の高いあこがれの古美術店の品々がいくつも並んでいます。値段も明記されていて、とても見やすく勉強になりました。
なかでも、神田の八木書店さんのブースでは、現存する世界最古の印刷物とされるお経とそのお経が入っている百万塔を初めて間近に見ることができました。お値段は950万円!百万塔は骨董の値段の基準に利用されることも多いと以前聞いていたので、なるほどと思いました。それにしても、おの百万塔についてお尋ねになっていたご夫婦、ご自身でもすでに1つお持ちということで、さすがコレクター!

 

・寄り道:大倉集古館


大倉集古館にて


コレクターの大倉喜八郎翁

さて、東美アートフェアですっかり気分高揚した私、余韻を楽しみながら、会場近くのホテルオークラの大倉集古館へ。偉大なるコレクターはやはり美術館サイズのお蔵が必要なほどの膨大な数の一級品を収集されているんですよね!都の歴史的建造物に指定されている中国古典様式の建物も見ごたえあり。現在の企画展は、羅漢図とその背景(禅宗の美を探る)となっています。

なお、入場券とホテルでのランチまたはケーキセットとのコンビネーションチケットがあり、美術鑑賞の後はホテルオークラのおいしいケーキも堪能できますよ。
 

今回は、宝石・翡翠、中国美術、そして日本美術のオークション出品作品のプレビューです。
宝石のコーナーでは早くもマダムたちが、いろいろ手にとって、”10万ドルなら落とせるかしら?”などと談笑中です!(さすが本物のマダムの貫禄!なんと約1000万円のお買い物!)
宝石のまばゆいばかりの輝きの奥のコーナーでは、蒔絵のすずり箱や根付、そして中国陶磁器が静かな美しさを見せてくれました。
 


最近のお気に入り本

本郷、目白台、神楽坂、四谷、青山、麻布、白金、高輪近辺のお屋敷街に残る明治の洋館の数々や美術館をめぐるハイカラ散歩コースが紹介されています。

早速、今回庭園美術館へのコースを少し本を片手にたどってみました。途中ランチは、本にも紹介されていた白金台にある明治学院近くの”サントル・フランセ・デ・ザール”へ。ここはご存知パトリス・ジュリアンさんの静かな1軒家のレストラン。
ほの暗い和と洋のアンティークがミックスされた内装と、カントリーっぽいフレンチ、心地よいひとときです。
そして、レストランから出てくると、素敵なマダムが歩いていらっしゃいました。そう、あのお顔は仏翻訳家の朝吹登水子さんでは?
以前本で見た彼女のアンティークコレクションを思い出しました。ここはフランスとアンティークの香りのする白金台!


前号へ

次号へ


HOMEへ