[2000/5/23]
[第10回 前編] 牛久シャトー&足利散策
西暦2000年 5月
皆様いかがお過ごしでしょうか?桜、つつじ、そして藤の花の季節へと。
新緑の爽やかな春の日々、皆様もいろいろ散策を楽しまれたのでは?
私も洋館散策に牛久へ、そして気ままな日本散策は足利や上野、そして目黒に出かけてみました。また、4月からは骨董の新たなクラス、そしてダイアモンド鑑定の実習もスタート。明治美術&ジャポネスリー、日本画、そして、ダイアモンドの輝きに、
魅せられたマダムの春をご紹介いたします。
Mme.Chiyoko
1.洋館散策シリーズ: 牛久シャトー(シャトー神谷)
神谷シャトー正面
ワイン資料館前
ハイカラ散歩がすっかりお気に入りになったマダム、洋館散策に、今回は茨城県牛久市へ行ってまいりました。
さて、2年前のことになりますが、NHKの番組で、藤森照信先生による、”建築探偵・近代日本の洋館をさぐる”という12回シリーズがあり、明治から昭和の産業王たちの洋館と彼らの生涯が紹介されました。その中から、私は、去年以前HPでもご紹介しました京都にあるタバコ王であった村井吉兵衛の長楽館へ。そして、今回はワイン王であった神谷傳兵衛のワインシャトー、牛久シャトーへ。
喫茶室にて
葡萄のシャンデリア!
カフェの窓辺藤森先生の説明によると、”現在日本に残る唯一本格的なワインシャトーで、ワインシャトーとしてのみならず、”神谷家の鹿鳴館”として、東京からお客様を招いて、パーティーなど開き社交の場としても建てられたもの”だそうです。
シャトー神谷は、赤レンガの洋館で、中央に時計台。現在建物1階の一部は、カフェアベイユとして公開されていて、暖炉やシャンデリアがあり、当時のサロンの雰囲気を少し味わえます。奥にあるワイン資料館も赤レンガの洋館で、地下のワイン蔵、今はもう使われていないものの、まるで海外のシャトーの雰囲気たっぷりです。
ワイン資料館内
大樽がずらっと!
黒かび&樽の地下室そして、資料館の2階は展示室になっていて、シャトー神谷の歴史を振り返ることができます。たしかに、明治時代のワインパーティーのおしゃれな写真も数々。。現在は市街地がすぐそこに迫っていますが、当時の写真には、見渡す限りの広大なブドウ畑にお招きされた紳士や、パラソルを持つ淑女の方々の様子はまるで当時のヨーロッパのガーデンパーティさながらで、優雅でのんびりとしていた様子が伝わってきます。
牛久シャトーは、入園無料、こちらのパンフレットに書かれているフレーズ、”緑と光とワインと。心においしいワインの森”はあったています。私はワイン資料館を見学した後は、レストランキャノンでランチをとりました。
レストランの窓からの風景
カリフォルニアにいるような
錯覚をします
明るい日差しの中での
ランチ!
このレストランは、ワイン貯蔵庫の雰囲気のそのままの建物で、アーチ型の窓から緑と光溢れる外を眺めながらのランチは、ふとカリフォルニアのナパバレーでのワインめぐりを思い出しました。その他、和風料理の富貴洞も趣があってよさそうでしたし、外でバーベキューというのも楽しいかもしれませんね。なんとシャトー神谷内のチャペルでワイン結婚式もできるようですよ。
(ご参考まで)
*”建築探偵・近代日本の洋館をさぐる” 藤森照信著 NHK人間大学 98/10-12
*”建築探偵の冒険” 藤森照信著 ちくま文庫
2.足利散策: 栗田美術館・足利フラワーパーク
さて、がらりと変わって、西洋から和の世界へ。
栗田美術館 大手門私のリンク先"Housekeeping"のマダムもすでにご紹介され、おすすめくださった足利にある栗田美術館へ。広大な敷地なのよ、とは聞いていましたが、そのとおりです。その緑溢れ、手入れの行き届いた敷地内に、美術館本館のほか、資料館や歴史館、登り窯や、食事の出来る栗田山荘ほか、点在しています。
栗田美術館入口
坂道を登って美術館へ。
石仏のある通り道想像以上に落ち着いた雰囲気のある美術館と庭園で、またまた和の良さをしみじみと味わいました。そうそう、教えていただいた敷地内の栗田山荘のお弁当、お庭を眺めながらで、本当に美味しいものでした。
栗田山荘
山荘内にて
お弁当
登り窯全景
登り窯
無名陶工祈念聖堂栗田美術館から5分のところに、あしかがフラワーパークがあります。なんでも日本ではじめて大藤の移植に成功し、現在樹齢130年以上の藤棚が4本と、その他70年以上のものが数多くあるそうです。5月初めに訪れた時には、まだ藤は6分咲きという感じでしたが、藤のかおりと、なるだけ自然のままの姿を残したというフラワーパークでは、ベンチに腰掛け、ゆっくり日光浴が楽しめました。
藤があちらこちらに。
7分咲き?
It's England!足利学校や、明治の帝室技芸員に選ばれた、田崎早雲の作品が公開されている草雲美術館など、今回は時間がなく見学できませんでしたが、見所の多そうな足利、また近いうちに出かけたいものです。