Madam's lounge

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No.10[1997/08/09版]

こんにちは みなさま暑中お見舞い申し上げます。 NYの夏は、一番暑い日には華氏100度(摂氏38度)ぐらいに なっていましたが、最近は華氏80度台の日が多く 日本に比べるとやはり過ごしやすい毎日のように感じます。 先週はNYの夏の風物詩となっているセントラルパークでの 無料野外コンサート(出演は アメリカ一番の人気を誇る カントリーミュージックの Garth )が話題でした。

さて、今回は、先日私達が週末に訪れた、 Delaware州 Wilmington にあるデュポン家のアメリカンアンティークコレクションで有名な Winterthur Museum、 宿泊先のHotel DuPontのお話、また途中立ち寄ったカジノの町 Atlantic Cityについて、 そして私のサザビーズでの初落札(!)のお話などをご紹介しますね。


Winterthur Museum & Garden(デュポン邸)


緑の中にたたずむ邸宅

このWinterthur Museum は私がとても楽しみにしていたところです。 この地は1810年にデュポン家によって購入され、 デュポン家ゆかりの地の1つであるスイス Winterthurにならって、名づけられました。その後、デュポン家は 蒐集したアメリカアンティークで部屋を飾り 生活していたとか。 そしてWinterthurは、現在美術館としてそのコレクション (1640年〜1860年代のアメリカ家具及び装飾品)を 公開しています。 ここはまた大学と提携したプログラムや、Libraryも有名で 私のアメリカ家具のクラスの先生も必ず見学するようにと薦めていらっしゃいました。

実際に見て、私に一番印象的だったのは、"Chinese Parlor"といわれるシノワズリ (17〜18世紀西洋で好まれた中国風装飾・中国趣味)の部屋でした。 一方、庭園は巨大で歩くのは不可能。トラム(連結バス)での30分ツアーで 見学できます。この広大な敷地で当時デュポン家の皆様は ゴルフ(!)を楽しんでいたそうですよ。


Hotel DuPont


ロビー ロビーのシャンデリア 落ち着いた室内

Wilmingtonでの宿泊先は、世界に名だたる化学系大企業 デュポン の迎賓館ともいえるホテルデュポンです。 Wilimington市 のランドマークとなっているこのホテル、 内装は18世紀アンティーク家具およびリプロダクションで装飾され とてもエレガントで落ち着いたすばらしいホテルです。 宿泊した部屋の中もゆったりとしており、チッペンデール様式の家具など すべてとても上品にまとまっています。

レストランは2つあり、夕食はless formalと聞いたBrandywine Roomで取りました。 値段は比較的お手頃なのにも関わらず、その落ち着いた雰囲気、 味は最高級レストラン級です。 一方、朝食は Green Room、 こちらは凝った装飾の施された高い天井と窓に囲まれた 所で、中2階にはハープなどの生演奏ができるようにバルコニーがありました。 まるでヨーロッパの古城で食事をとっているような気分に浸れます。

皆様もフィラデルフィアまで来られることがありましたら、少し足を伸ばして、 この素晴らしいホテルとWinterthur Museumを楽しんで下さい。また近辺には、 Nemours とよばれるまた別のデュポンの邸宅や Longwood Gardenなどもありますよ。


Atlantic City と Neil Sedakaのショー

さて私達夫婦は以前ご紹介しました友人宅でのカジノパーティーで 鍛えた腕を試すべく(?)ニュージャージー州南端の Atlantic Cityに 立ち寄りました。宿泊したのは、あの不動産王Trumpの所有する Trump Taj Mahalです。 でも、まずCheck-inに驚き。まるで ゴールデンウイークの成田空港受け付けカウンターのような(!) 混雑で、しかもチェックインしただけではすぐには 部屋へ入れず、夜6時以降にやっと用意されるとのこと。 結局それまで、とにかくまずはカジノを楽しんで下さい、 ということなのでしょうか?

とりあえず私達はAtlantic city 名物の Boardwalkを散策したのですが、 特にこれといったものはなく、夜のショーをチェックすることにしました。 すると、その夜のホテルTaj Mahalでのショーは2つで、 その内1つはなんと往年の大スター Neil Sedakaではないですか。 さっそくチケットを購入し、少しカジノ内を見物した後、 会場へ行きました。実は、私は Neil Sedakaなど Oldiesの音楽も大好きなのです。

昔々、New York郊外のハイスクールに通っていた頃、 アメリカ人のクラスメート達は当時まだアメリカに慣れない私をホーム・パーティーによく誘ってくれたものでした。 彼女たちは本当に優しくいい人達だったのですが、なぜか古い曲が大好き! Neil Sedaka, Frank Sinatraなどのレコードばかりを聞かせてくれたものです。 それ以来、彼らの曲が私の心にしっかりと刻まれてしまったのです。 さて、ショーに現れた Neil Sedaka はもうお年だとは思うのですが、 とても若々しい声で次々とヒットソングを歌います。 1時間半のショーでしたが、とてもハッピーな気分になることができました。

さて、肝心のカジノの方ですが、やはり本物は大変難しくて、 ルーレットやスロットマシーンで20ドルほど負けてすぐやめてしまいました。 まだまだ修行が足りないようです。


サザビーズで初落札

さて私はずーっとこの日を待ちこがれていました。 あのSotheby's のオークションで落札したのです。
arcade auctionのカタログ

私が参加したものは、2月にお話しました "Arcade Jewelry Auction"です。 ジュエリーのクラスで得た知識(?)を もとに、Exhibitionでは400点近い宝石の なかから、実際に手につけてみたり、 いろいろ見てから 最終的に候補を決めました。

オークション当日に会場で競り合うことには ちょっと気が引けましたので、 absentee bid を出すことにしました。 absentee bid とは、日本語では書面入札と呼ばれ、 当日会場で参加する代わりに事前に書面で 私の希望競り落とし価格を提出しておくと 当日サザビーズがその価格までで 競り落としの代行をしてくれます。 さて、オークションの日、落札できれば サザビーズから電話で連絡があることになっています。 オークションは、午前10時からと午後2時からありますが、 3時半頃、"This is Sotheby's. Congratulations!"と電話がきたのです! 感激です。 結局、実際に競り落とされた金額は、私のBidの約9割でした。 ただし、これにサザビーズへの手数料15%、 さらに NY sales tax 8.25%が付きます。 その後、さらにサザビーズ日本人顧客アドバイザーの 方からも電話連絡と、書類がfaxで送られてきました。

さて、競り落としたものは3日以内に支払い、 受け取りの手続きをしなければなりません。 NJに送ってもらえば、多少sales taxが安くなるのですが、 すべて興味のある私はサザビーズで直接受け取ることにしました。 受け取りの日、まずは2階の端のcashierで会計を済ませると、しばらく待つように とのこと。でも30分以上音沙汰なし。仕方がないので、次の 家具のexhibitionなども見てぶらぶらしていると、やっと声がかかり、 小さな事務室のようなところに連れて行かれました。そこには、カタログ類や 事務用品が棚に山積みされた単なる倉庫のような所です。 机にボンと置かれた段ボールから私の競り落とした番号がマジックで書かれた 事務封筒が取り出されました。ただし、サザビーズのシールでしっかりと 封印されています。中身を確認するようにといわれ、びりびりと封筒を 開けると、白い紙に包まれてロットナンバーの札のついた指輪が出てきました。 書類にサインをしたら、この指輪はもう私のもの! 私にとっては生涯忘れられないお宝になるのは間違いないでしょう。

指輪の入っていた封筒と札

えっ、指輪の写真はないの?ですって? それは秘密。 日本のみなさまもサザビーズに 電話をして一度お試し下さいませ。


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