Madam's lounge

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No.5[1997/03/09版]

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厳しいニューヨークの冬に備えて、2月はずーっと家にこもっていたのですが、 結局今年の2月は観測史上最も暖かい2月だったそうで、雪もほとんどなく まったく拍子抜けです。
でも、これから春にかけて沢山のアンティークの授業をとります。 今回は、再びアンティークの授業の話です。


アンティークの授業 その2
ファベルジェとアメリカ家具


以前にもお話しましたが、私は現在マンハッタンにある NYU(New York University)の "Appraisal Studies in Fine and Decorative Arts"で、 アンティーク鑑定について学んでいます。 このコースは、プロのみならず一般人も参加でき、 必修科目(4)と選択科目(40 session)とパスすると、 Certificateがもらえ、またアメリカ鑑定士協会より、 公認鑑定士試験の筆記テストを免除してもらえるほか、 この分野での2年間の職歴を認定してもらえます。 もちろん公認鑑定士となるには、 さらに何年もの実際の経験が必要となるようです。

さて、今学期(Spring 97)は、必須2科目と選択4科目を とることにしました。 ところで、このアンティーク鑑定講座ですが、 1学期間に選択科目は何と37も用意されています。 家具、陶器、絵画、銀製品、ジュエリー、 コスチュームなど、時代別、スタイル別、地域別に 幅広くカバーされています。 また、アンティーク・ビジネスや、 関連する法律問題等の授業もあります。 2月〜3月、そのうちの2科目、アメリカ家具とファベルジェの クラスがはじまりました。 クラスは、教授により授業方法が異なり、毎回たのしみです。

アメリカ家具のクラス:

これは、メトロポリタン美術館内の アメリカンウィング で、実際にインテリア、家具を見ながら授業がすすめられます。

クラスは15人程度で、男性3人(うち2人は絵画ディーラー)、 残りは女性。うち2人はサザビースの新人。 なんとオックスフォード大学で博士号を取得したばかりとか。 やはりサザビースで働くには相当の知識が必要なのですね。 そのほか、家具のデザイナーや、美術館で働いていた人、 フリーのライターというおばあちゃま(いつも真っ赤な老眼鏡がすてきです)など。 私を含めて3人ぐらいはアンティーク好きというだけの素人です。

まあ美術館のなかですから、1時間半立ちっぱなしのまま、 家具を正面から横から見ながら、1つ1つについて 現在オークションにだせばいくらぐらいで売れるのか、 また時代的背景などを次々と説明してくれます。

ファベルジェのクラス:

ファベルジェ はロシア皇帝御用達の宝石商で、 作品は一つ一つが芸術品といわれています。 日本でも展示会がありましたが、特に エナメルと宝石をつかった イースターエッグが 有名でご存知の方も多いと思います。

さて、このクラスは,Dr.Geza von Habsburgという この世界での権威から直接教えていただけます。 彼は、長年クリスティーズ・ヨーロッパのディレクターを 勤め、専門であるファベルジェの オークションを過去25年間担当され、 これまで出てきた大物の ファベルジェの鑑定やオークションにはほとんど関わったようです。 また、世界中での展示会も多く監修されたそうで、 豊富な知識と経験に基づくお話には、クラス全員 引き込まれるように聞き入ります。

著書はメトロポリタン美術館のコーナーに 多く売られているようで、授業の初日には サインをしてもらっている生徒の方もいました。 先生によると、ファベルジェは自分の宝飾品は すべて芸術品(Objects D'Art)であり、ティファニーやブシェロンなどは 商用(Commercial)として作られたものと言ったそうです。

偽物も大変多いファベルジェですが、ぜひ一度機会があれば 本物のObjects D'Artを見てくださいね。

NYCでは次の2ヶ所で見ることができ、どちらも 世界有数のコレクション を誇っているそうです。 私は次回の授業で見ることになっています。

  1. A La Vieille Russie : 781 Fifth Ave at 59th Street
  2. The Forbes Galleries: Fifth Ave. between 12th and 13th Street


アンティークギャラリーめぐり

ナイヤックのアンティークモール

NyackのMain Streetの風景

NYCから車で30分ぐらいハドソン川の上流にあるTappan Zee橋のふもとに NyackというNative American風の名前を持つ町があります。ここは 古くからある町でアンティークギャラリーが多いということで 訪ねてみました。それほど大きな町ではないのですが、 メインストリート沿いにいくつかギャラリーがありました。 こんなものかなと思ったら、あるビルの中に10軒ぐらいまとめて はいっているを発見!それぞれ個性のある店ですので、1時間ぐらい そこで過ごしてしまいました。

トリプル・ピア・エキスポ(NYC最大のアンティークイベント)

客船名を掲げる場所にSTELLA  ANTIQUESの字 ピア88の入口 ピア内の様子 ジュークボックスなど

年2回開かれるTriple Pier Expoに行ってきました。 ハドソン川の客船ターミナル3つ(Pier 88, 90 & 92)を借り切ってのNew York's Largest Antiques & Collectibles Eventということで、全部見るのに半日ぐらいかかる 規模の大きいアンティークショーです。

次回は11月15-16&22-23日にあります。それまで待てない人には、 New York Coliseum(Columbus Circle, 59th St&Broadway)で4月5&6日に 同じ会社(STELLA SHOW)主催のアンティークショーがあります。


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