マダムチヨコの
美術館・博物館散策 

No. 6

玉堂美術館 箱根芦ノ湖美術館 旧岩崎邸庭園 近代文学博物館 旧白洲邸 武相荘
静嘉堂文庫美術館 向井潤吉アトリエ館 日本民家園 講談社野間記念館

永青文庫

 玉堂美術館    

訪問日:2001年9月

日本画壇の巨匠・川合玉堂が愛した御岳渓谷に建てられた美術館です。台風が近づいている中の訪問でしたので、多摩川は濁流となっておりましたが、それが、また、玉堂の絵の世界を思い出させ、今にもひっくり返りそうな小船が川に浮かんでいる錯覚を覚えました。

 箱根芦ノ湖美術館 

訪問日:2001年10月

箱根にある美術館の中でも、なかなか充実したコレクションと思います。ただ、女性のヌードが題材のものが多いのは、コレクターの趣味なのでしょうか?

館内には同じユニマットグループのイタリアレストラン、L'ONDINAが入っており、芦ノ湖の景色を堪能しながら食事を楽しむことができます。

 旧岩崎邸庭園 

訪問日:2001年11月

旧三菱財閥の三代目岩崎久弥の別邸(これでも本宅ではないとは!)。洋館と和館を併設する典型的な明治期の大邸宅で、洋館は鹿鳴館などを設計したイギリス人J・コンドルの設計だそうです。ただし、洋館はまだ修理中で公開はまだ先とのこと。和館のみ内部に入ることができました。

建物のところどころには菱形のモチーフがありましたが、今の三菱マークのものはありませんでした。昔の1/3になってもまだ十分に広い芝生の庭は、以前訪れたトーマス・エジソン邸(Glenmont House, West Orange NJ)の広大な庭を思い出させてくれました。

 近代文学博物館 

訪問日:2001年11月

旧加賀百万石前田家の第16代当主・前田利為の邸宅跡が今は駒場公園となっています。こちらも洋館と和館がある大邸宅で、両方とも無料で内部に入ることができます。そういえば、本郷の東大も前田家の上屋敷跡でしたよね。

まずは和館へ。こちらは1階と庭園が公開されています。落ち着いた日本庭園はいつまでも気持ちよく眺めることができそう。

洋館は近代文学博物館として公開されています。貴重な展示物を日光から遮るためにカーテンで内部が暗くなってしまっているのが残念です。でも、銀杏の間に建つ洋館はフォトジェニック。何枚も写真をとりました。

さて、すぐ傍には日本近代文学館もあります。こちらは有料で、川端康成をはじめとする貴重な資料を見ることができます。内部は人も少なく、渋谷の近くなのにこんなに静かな空間があるのに驚きます。

 旧白洲邸 武相荘 

訪問日:2001年8月

カリスマ白洲正子女史の旧住居、武相荘が一般公開されたと聞き、たずねてまいりました。彼女の美意識で整えられたかやぶき屋根の古民家を多くのファンが見学していました。さて、白洲正子もよかったのですが、資料館の写真を見ていて、彼女のご主人、白洲次郎氏のかっこよさ、その経歴のすごさを再認識しました。あんなご主人が欲しいもの、、、、とふと思っていたら、、、そばから、”おい!”と。

 静嘉堂文庫美術館 

伝えられた名宝 − 美の継承展

訪問日:2001年11月

三菱第2代社長・岩崎彌之助から第4代社長・岩崎小彌太までの間にコレクションされたおよそ20万冊に及ぶ和漢の古典籍と、5000点を数える古美術品とを収蔵する美術館です。静嘉堂は彌之助氏の堂号とのこと。

基本的には茶道具が主体のようでしたが、展示物の由来(provenance)に驚き。美術品というよりも、歴史品としての価値が重要な世界なのですね。

変天目茶碗(稲葉天目):
…徳川将軍家(柳営御物)―淀藩主稲葉家―横浜小野家―岩崎家―静嘉堂

付藻茄子:
…足利義満…足利義政_山名政豊…村田珠光…三好宗三…朝倉太郎左衛門…小袖屋某…松永久秀-織田信長-豊臣秀吉…徳川家康-藤重藤元…岩崎家-静嘉堂

松本茄子:
…松本珠報…織田信長-豊臣秀吉…徳川家康-藤重藤厳…岩崎家-静嘉堂

 向井潤吉アトリエ館   

訪問日:2001年12月

民家を描いた画家、向井潤吉の世田谷の自宅兼アトリエが残されています。中には、若い頃のルーブル博物館での模写なども展示されています。模写の腕も超一流だったそうで、当時は一般の人がパリまで行くことは出来ず、白黒の画集しかないころですから模写の展覧会にも人が集まったのかと思いきや、観客は少なかったとか。いくら素晴らしい模写でも、本物ではないということで世間は評価してくれないようです。

でも、向井潤吉は民家という素晴らしい題材を見つけました。画伯の家も古民家風で、武蔵野の林の面影を残す庭を見ながら、縁側の椅子で日向ぼっこをして、つい、くつろいでしまいました。

 日本民家園   

訪問日:2001年12月

向井潤吉アトリエ館を訪れた後は、その足で、日本民家園へ。川崎の生田緑地に移築された古民家は20軒あまり。それらを見て回り、民家の中でおそばを食べるのも結構楽しいものです。おそば屋さんとして使われている合掌造りの家は一時レストランとして営業された家を移築したとか。NY郊外にあるステーキハウスGashoのモデルだったかも。(ご存知の方も多いと思いますが、NY郊外には日本の合掌造りの民家を移築または模したステーキハウスが何軒もあるのですよ。)

 講談社野間記念館   

訪問日:2001年12月

目白のフォーシンズホテル椿山荘の隣にある講談社初代社長・野間清治の邸宅を改装した美術館です。建物は想像していたよりもモダンなものでした。日本画の名品と共に、雑誌の表紙の原画なども多く展示されていました。ただし、古い雑誌ですので、私にはあまりわかりませんでしたが。

 永青文庫   

訪問日:2001年12月

野間記念館がある道の奥には、肥後熊本の細川家に代々伝わる名品を収蔵する永青文庫があります。細川家下屋敷跡に建てられた家政所として使われていた建物だそうですが、薄暗い落ち葉の溜まった林の中にある文庫は幽霊屋敷!の趣きがたっぷり。

本当に開いているのかしらと思って扉を開けると一応それらしき受付があって一安心。でも、やはり建物内部もおそろしく古いままのようで展示品と同じぐらい迫力を感じました。

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